世の中、震災で苦しむ人のニュースよりも、
卑しく物資を買い漁る人間のニュースの方が頻繁に報道され、
だんだん荒んできた。

確かに、近くのコンビニに行ってみると、
棚がガラガラだった。
節電の効果で店内は暗く、一層不気味だった。
「あー節電してんだーここ」と感じながら、
買い漁っていった人間がいるということに、
どんどん悲しくなってきた。

その帰り道、
いつも行く個人商店に寄ってみた。
いつもは１００円で売っているカップラーメンが、
１２０円になっていた。
「便乗したな？」
というと、ニヤリとしながら、
「そんなワケないじゃないですか。大変なんですよ」

嘘でもホントでも構わないが、こっちもニヤリとしてしまう。

商品の品揃えは、いつも以上に。
内容は変わっていた。

つまり、
いつも仕入れるものは仕入れにくくなったので、
「誰も買わないような安いモノ」を「買い漁ってきた」ようだ。
仕入れまくってきた　とも言える。
仕入れることができた　とも言える。

モノによっては余っている　とも　言える。


道理で自分の生活は、
震災後もなんら変わらないはずだ。

被害にあったかどうかの話ではない。

普段から「世の中の余ったモノ」で生活していたからだ。

誰も買わないモノを買い、
誰も食べないモノを食べる。

しかし、何の不自由もない。
贅沢してるほうだ。

米がない？あるよ。

乾電池がない？あるよ。

牛乳がない？あるよ。買ってきたよ。



キミ達の　余りモノだけどもね。